コレクション 町田市立国際版画美術館

眠れ、よい子よ(『流れ星のサーカス』より)

眠れ、よい子よ(『流れ星のサーカス』より)

ジョルジュ・ルオー
1981~1958

眠れ、よい子よ
(『流れ星のサーカス』より)

1935年
銅版画(リフトグランド・エッチング、アクアチント[多色]) 308 x 213 mm
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013 E0406

説明

美しく着飾った踊り子が、小さな赤ん坊をあやしています。ほほえましい母と子の一場面です。この作品は、ルオー自身の文章に挿絵をつけた『流れ星のサーカス』のなかの1点です。版画集のなかに踊り子や曲芸師、ピエロなどの姿は、ルオーが幼いころより憧れ続けた旅回りのサーカス一座の人々です。

20世紀最大の宗教画家と評されるジョルジュ・ルオー。敬虔なカトリック信者であった彼の作品は信仰に基づく独自の主題に貫かれ、人間の罪をみつめる鋭いまなざしと弱き者への憐れみ、そして深い宗教観に基づく人間愛に満ちあふれています。
ルオーの油彩画はその重厚な質感でよく知られていますが、それは版画においても同様です。専門の刷り師とともに銅版画による多色刷りを研究し、驚くほど深みのある色彩へと辿りつきました。
『流れ星のサーカス』は、画商アンブロワーズ・ヴォラールの依頼によって制作され、1938年に出された版画集です。ルオー自身の文章や詩に銅版画による挿絵17点が添えられ、ルオーの下絵から制作した木口木版画73点を含みます。

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