阿弥陀如来坐像摺仏(百体一版) 浄瑠璃寺伝来
阿弥陀如来坐像摺仏
(百体一版)
浄瑠璃寺伝来
あみだにょらいざぞうしゅうぶつ
(ひゃくたいいっぱん)
じょうるりじでんらい
平安時代(11~12世紀)
木版 460 x 330 mm
説明
900年ほど前の、木彫りの仏像の体の中に入れられていたという木版画です。阿弥陀如来という仏様が100体ならんでいます。小さなスタンプをくり返し押したように見えますが、実は1枚の板にすべての像を彫って作ったものです。仏像にこうした木版画を入れると、入れた人の祈りが仏様に伝わると信じられていました。
京都府の浄瑠璃寺には、平安時代に造られた9体の阿弥陀如来の彫像がまつられています。この像の内部に納入されていたと伝えられるのが、彫像と同じく阿弥陀如来をあらわした2種類の木版画です。この作品は阿弥陀如来の姿を100体並べており、一見すると小さなスタンプをくり返し押捺したようです。しかし、実は1枚の版木にすべての像を彫っており、一度に100体の像が摺れることから「百体一版」の通称があります。平安時代後期には、仏像の内部にこうした木版画を納めて、祈りをほとけに伝えようとする信仰がさかんになりました。なお、もう一方の木版画は12体の阿弥陀如来像を1枚の版木に彫っており、「十二体一版」と呼ばれています。