猫と花

エドゥアール・マネ
1832~1883
猫と花
1869年
銅版(エッチング、アクアチント) 210 x 148 mm
説明
フランスの画家マネは、それまでの伝統絵画をのりこえ、色彩や主題、構図などさまざまな面で近代絵画への道をひらいた画家です。マネに大きな影響を与えたもののひとつが日本美術で、猫を前面に大きく描き、さらに画面のふちで半分に切るという、この作品の斬新な構図も浮世絵との関係が指摘されています。
シャンフルーリ『猫』は副題に「その歴史、生態、観察、逸話」とあるように、50点以上の挿絵をちりばめ、猫に関するさまざまな話題をとりあげた本です。古代エジプトから説き起こし、最後の章では北斎について述べています。1869年の初版はたいへん好評で、翌年までに3回も版を重ねました。1870年にはオリジナル版画入りの豪華版が刊行され、このエッチングはその一点として制作されたものです。背景にアクアチントを施し、画面全体に微妙なトーンを作り出しています。現在まで原版が残り、多数の後刷りが制作されている人気の高い作品でもあります。