描かれた文学 ドラクロワとシャセリオー
ミニ企画展
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ドラクロワ『ファウスト』より
《ファウストの前に現れたマルガレーテの亡霊》
展覧会概要
19世紀フランスの二人の画家が文学作品に寄せた版画集:ウジェーヌ・ドラクロワ(1798-1863)による『ファウスト』(ゲーテ著)と、テオドール・シャセリオー(1819-1856)による『オセロ』(シェイクスピア著)をご紹介します。
『ファウスト』と『オセロ』は戯曲、すなわち演劇の台本として書かれました。実際にドラクロワは1825年にロンドンで観た舞台からインスピレーションを得てリトグラフを制作した、と日記に記しています。シャセリオーの版画に描かれるヒロインのデズデモーナは、当時上演されていたオペラ『オセロ』で、これを当たり役としていた歌手の面影をしのばせると言われています。
ふたりの画家が選んだ場面には偏りがあり、原作のあらすじを忠実に追ってはいません。これらはテキストに従っただけの「挿絵」ではなく、『ファウスト』と『オセロ』というドラマを、画家が自らの感性で表現した「作品」といえるでしょう。ドラクロワとシャセリオーが描いた物語をお楽しみください。
出品作品
ウジェーヌ・ドラクロワ ゲーテ著『ファウスト』
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《空を飛ぶメフィストフェレス》
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《マルガレーテを誘惑しようとするファウスト》
全18図 1828年刊 リトグラフ
テオドール・シャセリオー シェイクスピア著『オセロー』
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《それから私に礼を言い…》
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《だが生かしてはおけない…》
全16図 1844年(1900年刊)エッチング、エングレーヴィングほか
『シェークスピア名場面版画集』
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《ペル・メル街のシェークスピア・ギャラリー正面の高浮き彫り》
ジョン・ボイデル刊『シェークスピア名場面版画集』より5図 1803年刊 スティップル・エングレーヴィング
展覧会情報
会期 | 2021年9月15日(水)~12月5日(日) |
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休館日 | 月曜日 ※ただし9月20日(月祝)は開館し、9月21日(火)は休館。 |