清親―光線画の向こうに
展覧会概要
ガス灯が灯る文明開化の街並みから日清・日露戦争まで、”明治”を描いた浮世絵師、小林清親(1847-1915)。2015年には没後100年を迎え、改めて注目が集まっています。
清親は弘化4年(1847)、江戸本所御蔵屋敷に下級役人の子として生まれました。青年期には幕臣として伏見の戦いに参戦し、動乱の幕末期を経験します。幕府崩壊後は住居や職業を転々としますが、幼い頃より好きだった錦絵に生活の道を見出しました。明治9年(1876)、新しい東京風景を叙情的に描き出した『東京名所図』シリーズを刊行。季節や天候の繊細な移ろいを、光と影の巧みな表現で写したこの風景画は「光線画」と呼ばれ、浮世絵界に新たな風を吹き込みました。
明治14年(1881)を最後に『東京名所図』の制作から離れると、自由民権運動の気運高まるなか、雑誌や新聞を舞台に数々の諷刺画を描きます。また明治27年(1894)に日清戦争が勃発すると、光線画で培った光と影の表現を活かした戦争錦絵を発表。銅版画や石版画といった木版以外の版技法にも取り組み、晩年には肉筆画も描きました、江戸期には定番だった役者や美人を主な題材とせず、社会の動きや新しいメディアと向き合い続けた清親は、浮世絵史の最後に煌いた、まさに”明治の浮世絵師”といえます。
本展覧会では、清親の多彩な画業を一堂に紹介いたします。さらには、井上安治や小倉柳村から、織田一磨に川瀬巴水まで、清親に共感を示した絵師の作品を交え、約300作品で清親像を多角的に辿ります。
展覧会情報
会期 2016年3月12日(土)~4月17日(日)
※会期中、一部展示替えがあります。
前期:3月12日(土)~3月27日(日)
後期:3月29日(火)~4月17日(日)
休館日 月曜日
※ただし3月21日(月・振休)は開館、3月22日(火)は休館
会場時間 平日 10:00~17:00 (入場は16:30まで)
土日祝 10:00~17:30 (入場は17:00まで)
観覧料 一般 800(600)円
大学・高校生・65歳以上 400(300)円
中学生以下は無料
*( )内は20名以上の団体料金
*展覧会初日3月12日(土)は入場無料
*身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者
保健福祉手帳をご持参の方と付き添いの方1名は半額
関連イベント
記念講演会 「開化の浮世絵師・清親を語る」
講師 酒井忠康(世田谷美術館館長)
日時 4月3日(日) 14:00~15:30
会場 1階講堂
定員 先着150名
※聴講無料 「清親―光線画の向こうに」展(有料)観覧の方が対象です。
※手話通訳付き
美術館が寄席に!清親落語会
落語家 林家正雀
演目 「ぞろぞろ」ほか
日時 3月27日(日) 14:00~15:00
会場 1階講堂
定員 先着150名
※観覧無料
※13:00より1階受付にて整理券をお渡しします。
「清親―光線画の向こうに」展(有料)観覧の方が対象です。
現代作家による公開制作
「ツツミ アスカ 時間と層の耀き」
―木版拓摺りとインクジェットプリント、古典技法と現代技法の融合―
ツツミ アスカ(美術家)
日時 3月19日(土) 13:30~16:00 ※途中休憩含む
会場 1階アトリエ
※入場無料・見学自由
※混雑時は入室を制限する場合があります。
プロムナード・コンサート
小池純子(ジャズピアニスト)
日時 3月13日(日) ①13:00~ ②15:00~(各回30分程度)
会場 エントランスホール
※どなたでもご鑑賞いただけますが、お席のご用意はありません。
ギャラリートーク
館長によるスペシャルトーク
4月10日(日)
担当学芸員による作品解説
3月20日(日)、4月17日(日)
※各日14:00から45分程度。観覧券をご用意のうえ、2階企画展示室入口にお集まりください。