戦争・版に刻む記憶
展覧会概要
戦争の悲惨な光景を、画家はくりかえし版に刻んできました。その中でも代表的な作品とされる、ジャック・カロ、フランシスコ・ゴヤ、オットー・ディックス、3人の画家による銅版画集をご紹介します。
戦争は人間の歴史とともに繰り返されてきました。Wikipediaで「戦争一覧」を検索してみると、紀元前から21世紀まで主要な国際紛争だけで350もの戦争がリストアップされています。その中でも、カロが描いた30年戦争、ゴヤが描いたナポレオン戦争、ディックスが描いた第一次世界大戦は、広範な地域を巻き込み、人々を無差別に襲い、社会や思想を根底から変えてしまったとりわけ巨大な―そして酸鼻を極めた戦争として記憶されてきました。
戦争は「複数の集団の間で行われる紛争の武力解決」と定義でき、その本質は何千年も前から変わっていないといえるでしょう。しかし、3人の画家の作品をていねいに見ていくと、時代によって戦争のあり方が違っていることが分かります。さらに時代ごとの美術の表現方法の違いがかさなり、作品に反映されています。
その一方で、彼らは共に「戦争」という主題にひきつけられ、悲惨な様相を執拗なまでに版に刻んでいます。それははたして、戦争の悲惨さを後世に伝え、人間の愚かさを訴えかけるためだけだったのでしょうか―なぜ画家は「戦争」をくりかえし版に刻むのか、120点の作品に探ります。
▶戦争・版に刻む記憶 展 チラシ PDF[1.32MB]
▶出品作品リスト PDF[546KB]
展示内容
ジャック・カロ(1592-1635)『戦争の惨禍』 1633年
フランシスコ・ゴヤ(1746-1828)『戦争の惨禍』より 1810-20年制作
オットー・ディックス(1891-1969)『戦争』 1924年刊
ほか120点
展覧会情報
会期 | 2017年6月24日(土)から 7月23日(日) 月曜休館、ただし7月17日(月祝)は開館、翌18日(火)は休館 平日 10:00~17:00(入館16:30まで)/土・日・祝日 10:00~17:30(入館17:00まで) |
---|---|
会場 | 第1企画展示室 |
観覧料 | 一般 600(500)円 大学・高校生と65歳以上 300(200)円 |
休館日 | 毎週月曜日 |
開館時間 | 平日 10:00~17:00(入場は16:30まで) 土日祝 10:00~17:30(入場は17:00まで) |
※( )内は20名以上の団体料金
※展覧会初日6/24(土)は入場無料
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額。
関連催事
学芸員によるギャラリー・トーク
6月25日(日)、7月 9日(日)、7月17日(月・祝)
各日14:00から45分程度。観覧券をご用意のうえ、2階企画展示室入口にお集まりください。
*ちらしでご案内しております「館長によるスペシャル・ギャラリートーク」は都合により「学芸員によるギャラリー・トーク」に変更となりました。
プロムナード・コンサート
山口友由実(ピアノ)
7月8日(土) ①13:00~ ②15:00~(各回30分程度)
会場:エントランスホール *どなたでもご鑑賞いただけますが、お席の用意はございません。
美術館で語りあおう トークフリーデー
会期中の水曜と土曜日はトークフリーデー。「鑑賞のための静けさ」より作品をめぐる会話を楽しんでいただこうという試みです。小さなお子さま連れの方も気兼ねせず、ぜひご入場ください。
同時開催
シリーズ現代の作家 舩坂芳助
6月21日(水)~9月24日(日) 常設展示室