開館30周年記念
浮世絵モダーン
深水の美人! 巴水の風景! そして ・・・

企画展


川瀬巴水「旅みやげ第一集 十和田湖千丈幕」1919年、渡邊木版美術画舗蔵

展覧会概要

浮世絵版画は江戸から明治にかけての先端の風俗や流行、出来事、市井の話題などを常に新しい斬新な様式で表わした出版物であり美術作品でした。また市場経済と結びつき、庶民が鑑賞できる数少ない絵として流通していました。そのような浮世絵は、いってみれば、当時の庶民にとっての現代美術であったわけです。
浮世絵版画の復興を目指して大正初期に登場し、昭和10年代まで制作・出版された「新版画」と称する伝統木版(本展ではこれらを「浮世絵モダーン」と呼びます)もまた、同時代の芸術思潮と呼応しながら、女性たちの新しい風俗、明治以降にその魅力に気づかされた自然や都市の風景、新作歌舞伎や新派、新劇が普及した大正時代の歌舞伎俳優などを近代的感覚によって表した現代美術であったと見なすことができます。その作品内容は、同時代の絵画や彫刻、創作版画などと同様に、時代の表現動向と密接に関係していました。
本展覧会は、2005年に町田市立国際版画美術館が企画開催し、その成立と展開の見取り図を示した「浮世絵モダーン」展の第二弾として、以上のような視点をもとに、「浮世絵モダーン」が同時代の社会や芸術などと共鳴しつつ、何をどのように表現したかを探求することを目的として開催するものです。

展覧会のみどころ


伊東深水「対鏡」1916年、渡邊木版美術画舗


みどころ1 5章の構成で、めくるめく「浮世絵モダーン」の世界を紹介!


「女性」「風景」「役者」「花鳥」「自由なる創作」の5章構成で、浮世絵モダーンが何を描いてきたのかを探ります。


みどころ2 ファン待望、巴水や深水、吉田博ら人気画家の代表作が目白押し!!


スティーブ・ジョブズの愛した川瀬巴水、ダイアナ元妃を魅了した吉田博など、世界的にも評価の高い画家たちの作品が一堂に会します!


みどころ3 出品総数 約300点の大ボリューム!!!


常時約230点をご覧いただけます。
※前期(~5月20日)・後期(5月22日~)で一部展示替えがあります。

展覧会構成

第Ⅰ章 女性 ―近代美人画の諸相


江戸時代より浮世絵の主要な画題であった美人画は、浮世絵モダーンにおいても画家たちが意欲的に取り組んだジャンルでした。日本人として最初に新版画制作に臨んだ橋口五葉(はしぐち・ごよう)や、日本画家の伊東深水(いとう・しんすい)、小早川清(こばやかわ・きよし)らは、大正期や昭和初期の芸術思潮、流行の文化、世相などを強く意識しながら、自己の表現を追い求めました。より近代的な女性像を模索し、西洋画のヌードを視野に入れた裸婦も多く描かれています。

第Ⅱ章 風景 ―名所絵を超えて


1910年代に制作出版が始まった新版画では、浮世絵にならうようにして風景画が重視されました。最初期には伊東深水が取り組み、その後川瀬巴水(かわせ・はすい)が北海道から九州まで旅をしながら自らの観点で風景を選び、抒情的な作品を制作します。さらに水彩画家でもあった吉田博(よしだ・ひろし)が、自然主義の立場から写実的な作風を確立するなど、浮世絵における名所絵を超えた多様な展開を果たします。


第Ⅲ章 役者 ―歌舞伎から新派まで

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山村耕花(豊成)「梨園の華 十三世守田勘彌のジャン・バルジャン」1921年、町田市立国際版画美術館

役者絵は、江戸から明治に至るまで浮世絵に描き継がれてきたジャンルです。1915年、渡邊庄三郎(わたなべ・しょうざぶろう)が新版画の制作出版を開始すると、山村耕花(やまむら・こうか)と名取春仙(なとり・しゅんせん)がこの分野に本格的に乗り出し、個性の尊重や自我の表出を求める大正期の芸術思潮を反映させた、近代の役者似顔絵を大成させました。耕花は役者の個性を捉えたドラマ性のある似顔絵を発表し、春仙は歌舞伎に加えて明治中期より新たに興った新派の舞台にも取材しました。


※「梨園の華 十三世守田勘彌のジャン・バルジャン」は、チラシにて<前期展示>とお知らせしていましたが、<通期展示>に変更となりました。

第Ⅳ章 花鳥 ―求められる伝統性とその変容

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高橋松亭(弘明)・伊藤総山「堀きり花菖蒲」1909-1916年、個人蔵

江戸後期、歌川広重を中心に発展した花鳥版画は、1900年代半ば(明治30年代終り)に新たな展開をみせます。花鳥画を得意とした日本画家小原古邨(おはら・こそん)の花鳥版画がヨーロッパやアメリカで人気を集め、海外での販売を睨んだ制作出版が行われるようになります。浮世絵の花鳥画を下敷きに、より写実的な情景描写を果たした高橋松亭(たかはし・しょうてい)や、日本画のような画面を構成した土屋光逸(つちや・こういつ)らにより、1930年代(昭和初期)にかけて制作されました。

第Ⅴ章 自由なる創作 ―さまざまな画題と表現

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小早川清「ダンサー(レヴュー)」1932年、千葉市美術館

新版画の大きな特徴は、大正から昭和前期の社会や文化、芸能、生活、風俗、文学などに見出した興味を、作品に自由に反映させている点にあります。例えば、1900年(明治33)前後にジャポニスムに刺激されて来日した外国人画家は、浮世絵版画の制作技術を学び、日本の風俗や生活習慣を独創的な様式で表現しました。また大正期、古屋台軒(ふるや・たいけん)が地方に伝わる民族誌的芸能を題材に、また伊東深水が社会の底辺で働く人々の姿を見つめ、抒情的な作品を制作しています。さらに昭和初期には、小早川清が関東大震災から復興を遂げた新東京で上演されたレヴューの女性ダンサーをモダンに表現し、橘小夢(たちばな・さゆめ)がエロ・グロ・ナンセンスの世相を背景に妖艶で幻想的な作風の木版画を制作しました。

展覧会情報


























会期2018年4月21日(土)~ 6月17日(日)
※前期(~5月20日)・後期(5月22日~)で一部展示替えがあります。
休館日月曜日 ただし、4月30日(月・祝)は開館し、5月1日(火)は休館します。
開館時間平日10:00~17:00(入場は16:30まで)
土日祝10:00~17:30(入場は17:00まで)
会場企画展示室1・2
観覧料一般=800(600)円、大・高生、65歳以上=400(300)円、中学生以下は無料
主催町田市立国際版画美術館、東京新聞
助成
本展覧会は、平成30年度芸術文化振興基金の助成を受けています。
巡回先公益財団法人岡田文化財団パラミタミュージアム
2018年12月6日(木)~2019年1月14日(月・祝)

※4月21日(展覧会初日)は入場無料です。
※( )内は20名以上の団体料金。
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額です。

開館30周年記念 浮世絵モダーン プレスリリース PDF[1.3MB]
開館30周年記念 浮世絵モダーン チラシ PDF[6MB]
開館30周年記念 浮世絵モダーン 出品リスト PDF[2.22MB]


関連イベント

■対談

「新版画出版のシナリオ」
講師:岩切信一郎(美術史家)×渡邊章一郎(渡邊木版美術画舗代表取締役)
4月28日(土) 14:00~15:30 1階講堂にて 先着120名(申込不要)
※本展観覧券(半券可)が必要です。

■講演会1 

「近代美人画の諸相 鏑木清方と新版画の画家」 
講師:篠原 聰(東海大学准教授)
5月3日(木・祝) 14:00~15:30 1階講堂にて 先着120名(申込不要)
※本展観覧券(半券可)が必要です。
※手話通訳が付きます。

■講演会2

「録音で聴く、新版画の時代の歌舞伎役者」
講師:小野迪孝(美術史家) 
5月26日(土) 14:00~15:30 1階講堂にて 先着120名(申込不要)
※本展観覧券(半券可)が必要です。
※手話通訳が付きます。

■プロムナードコンサート 

「ピアノと尺八による唱歌・童謡のひととき・・・」
奏者:後藤 泉(ピアノ)、渡辺 淳(尺八)
6月2日(土) 13:00~、15:00~ 各回30分程度 エントランスホールにて
※どなたでもご鑑賞いただけます。お席の用意はございません。

■Guided Gallery Tours in English

Ⅰ. “The typical landscape of Shin-hanga: How to make a beautiful scenery”
Lecture by Furuie Mitsuha (Hitotsubashi University, Ph.D. Candidate)
May 19 (Sat.) 14:00~15:00

Ⅱ. “Western artist of Shin-hanga ―Fusion between East and West, Tradition and Modern, through woodblock prints in the 20th century”
Lecture by Nagatani Yuko (Keio University, Ph.D. Candidate / SOAS, University of London, M.A.)
June 9 (Sat.) 14:00~15:00

*Free of charge, but an exhibition ticket is required.
*No pior booking required.
*Please come to the entrance of the exhibition room with an exhibition ticket.

■館長によるスペシャルトーク

5月27日(日)
※14:00から45分程度。観覧券をお持ちのうえ、展示室入口にお集まりください。

■学芸員によるギャラリートーク

4月29日(日)、5月13日(日)、6月10日(日)
※各回とも14:00から45分程度。観覧券をお持ちのうえ、展示室入口にお集まりください。

同時開催

ミニ企画展 西洋古版画にみる「複製」と「創作」
2018年4月11日(水)~6月17日(日)
常設展示室 入場無料

  • 芹が谷だより

Information

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休館日
展覧会
イベント

平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

  • 小学生、中学生のみなさまへ

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町田市立国際版画美術館 〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1 連絡先 電話 042-726-2771/0860/2889