吉例浮世絵大公開! 江戸ノスタルジア
企画展
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月岡芳年「風俗三十二相 うるささう 寛政年間 処女之風俗」 明治21年(1888) 木版
展覧会概要
明治の幕開けにより、新しい西洋の文化が入り込んだ「江戸」は、徐々にその姿を「東京」に変えていきました。人びとは文明開化の波を新鮮に感じる一方で、旧幕府時代を批判的に捉えた新政府の態度や社会の変化には戸惑いも感じていたようです。明治22年(1889)には旧幕臣による「江戸開府三百年祭」が開催され、江戸への郷愁も高まっていました。
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楊洲周延「江戸風俗 朧春花之夜桜」 明治22年(1889) 木版
こうした人びとの心情に寄り添うように、明治22年前後の浮世絵には「江戸」を題材にした例が多くみられます。自身も旧幕府軍として戦った経験のある楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)は、代表作『千代田之大奥』などで、かつては描くことのできなかった大奥や江戸城の様子を描いています。明治を代表する浮世絵師、月岡芳年(つきおかよしとし)は、『風俗三十二相』シリーズにおいて、江戸美人の姿に往時への追憶を込めました。
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楊洲周延「千代田之大奥 御煤掃」 明治28年(1895) 木版
1868年の明治維新から、もうすぐ150年が経とうとしています。本展では「明治時代に描かれた江戸」という視点から、江戸時代について、また時代の変わり目に生きた明治の人びとについて思いを巡らします。
展覧会情報
会期 | 2017年3月11日(土)~4月9日(日) |
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休館日 | 3月13日(月)、21日(火)、27日(月)、 4月3日(月) |
開館時間 | 平日 10:00~17:00(入場は16:30まで) 土日祝 10:00~17:30(入場は17:00まで) |
観覧料 | 一般 600(500)円 大高生・65歳以上 300(200)円 中学生以下 無料 *()内は20名以上の団体料金 *展覧会初日3/11日(土)は入場無料 *身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者 保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額 |
- 出品作品リスト PDF[362KB]
- 江戸ノスタルジア チラシ PDF[1.24MB]
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水野年方「三十六佳撰 卯月 延享頃婦人」 明治27年(1894) 木版
関連催事
館長によるスペシャルトーク
3月26日(日)
学芸員によるギャラリートーク
3月12日(日)、4月8日(土)
*各日14:00から45分程度
*観覧券をご用意のうえ、2階企画展示室入口にお集まりください。
美術館で語り合おう トークフリーデー
会期中の水曜日・土曜日
「鑑賞のための静けさ」よりも作品をめぐる会話を楽しんでいただこうという試みです。
小さなお子さま連れの方も気兼ねせずにぜひご入場ください。
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月岡芳年「新形三十六怪撰 四ツ谷怪談」 明治25年(1892) 木版
同時開催 ミニ企画展 「シリーズ現代の作家 追悼・木村利三郎」
1月5日(木)~4月9日(日)
入場無料