棟方志功と西洋民衆版画

ミニ企画展
無料
棟方志功と西洋民衆版画
『山懐頌』より 「心眼の柵」
1967年 木版・手彩色(裏面)

展覧会概要

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「鳥と花の縁飾りのあるキリストの洗礼」 1500-10年頃 木版・手彩色 推定制作地:ネーデルラント

 世界の“ムナカタ”と呼ばれ、日本を代表する版画家として有名な棟方志功(1903~75年)。 その多くが無名の職人たちの手によって作られ、人々の生活に根ざした西洋民衆版画。この組み合わせはなぜ、と疑問を持たれる方は多いかもしれません。実は、両者には接点があるのです。

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「聖母被昇天」 1773-1828年 木版・手彩色 版元不明

 青森県に生まれた棟方は、ゴッホに憧れ芸術家を志し、1924年に上京。その後、柳宗悦、河井寛次郎といった民芸運動の指導者たちと出会い、高く評価されました。「民芸」とは無名の職人の手でつくられた日常雑器のことです。西洋の初期木版画も、生活に根ざした絵「民画」であると彼らは考えていました。上手い、下手にとらわれず、人々の求めに応じて作られた日常雑器が持つ、素朴で自然な美しさ。それでいて力強く、見てすぐそれとわかる特色。まさに棟方の作品から感じられる魅力そのものです。

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「パリ士官学校前で国民軍を閲兵するアルトワ伯爵」 1815年 木版・手彩色 出版地:ナント

 その後、棟方は、サンパウロ・ビエンナーレ(1954年)や、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1956年)で最高賞を受賞し、世界の“ムナカタ”としての地位を確固たるものにします。一方で、その知名度が広がり、彼の作品本来の魅力が覆い隠されてしまったようにさえ感じられます。本展で今一度「有名」、「無名」にとらわれない、どこか本質的なところでつながる、二つの版画の世界をご体感いただければ幸いです。

展覧会情報

会場:常設展示室

会期:2013年9月25日(水)~12月23日(月・祝)

観覧料:無料

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開館日
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平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

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