棟方志功と西洋民衆版画
ミニ企画展
無料
展覧会概要
世界の“ムナカタ”と呼ばれ、日本を代表する版画家として有名な棟方志功(1903~75年)。 その多くが無名の職人たちの手によって作られ、人々の生活に根ざした西洋民衆版画。この組み合わせはなぜ、と疑問を持たれる方は多いかもしれません。実は、両者には接点があるのです。
青森県に生まれた棟方は、ゴッホに憧れ芸術家を志し、1924年に上京。その後、柳宗悦、河井寛次郎といった民芸運動の指導者たちと出会い、高く評価されました。「民芸」とは無名の職人の手でつくられた日常雑器のことです。西洋の初期木版画も、生活に根ざした絵「民画」であると彼らは考えていました。上手い、下手にとらわれず、人々の求めに応じて作られた日常雑器が持つ、素朴で自然な美しさ。それでいて力強く、見てすぐそれとわかる特色。まさに棟方の作品から感じられる魅力そのものです。
その後、棟方は、サンパウロ・ビエンナーレ(1954年)や、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1956年)で最高賞を受賞し、世界の“ムナカタ”としての地位を確固たるものにします。一方で、その知名度が広がり、彼の作品本来の魅力が覆い隠されてしまったようにさえ感じられます。本展で今一度「有名」、「無名」にとらわれない、どこか本質的なところでつながる、二つの版画の世界をご体感いただければ幸いです。
- 棟方志功と西洋民衆版画 リーフレット PDF[286KB]
展覧会情報
会場:常設展示室
会期:2013年9月25日(水)~12月23日(月・祝)
観覧料:無料