マックス・クリンガーの銅版画

ミニ企画展
マックス・クリンガーの銅版画
『ある愛』より第10図「死」

展覧会概要

マックス・クリンガー(1857-1920)はドイツの画家、彫刻家、版画家です。
クリンガーの版画の特長は、卓越したデッサン力と高度な銅版画技法による細密な描写にあります。克明なまでに写実的でありながら、時に白昼夢のような不思議な世界を描き出し、シュールレアリスムの先駆者とも評されます。
クリンガーは生涯に14組の版画連作を残し、音楽に用いられる作品番号(Opus)をふっています。連作は必ずしも明確なストーリに沿って展開するわけではありませんが、個々の作品が互いに響きあうことでイメージの世界をふくらませていきます。

クリンガーは版画について、色彩を使わないため現実を再現する力は弱いかわりに、芸術家の主観や幻想を表現し、見る人が想像により自由に解釈する余地が残されると述べています。『手袋』『ドラマ』『ある愛』、三つの連作をみなさんの想像力とともにお楽しみ下さい。

展覧会情報

9月25日(木)~12月25日(木)

展示構成

『手袋』 A Glove (OpusVI)

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第2図「行為」

憧れの女性の手袋を偶然に拾ったことから繰り広げられる幻想の物語。若きクリンガー自身の恋を題材にしたといわれています。

1880年(展示作品は1924年刊第5版)

『ドラマ』 Dramas(OpusIX)

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第1図「眼の前で」

19世紀後半のベルリン社会の矛盾を描いた版画集。殺人、売春、子殺し、暴動…、華やかな都市生活の裏側で破滅していく人々の姿を克明に描きます。

1883年(展示作品は1922年刊第6版)

『ある愛』 A Love(OpusX)

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第2図「公園で」

上流階級のひとりの女性の愛と破滅の物語。その理由を人間の「原罪」に求めながらも、当時の因習的な道徳や偽善への疑問をクリンガーは投げかけているように感じられます。
当館で展示するのは初めての作品です。

1887年(展示作品は1903年刊第4版)個人蔵

『アモールとプシュケ』 Cupid and Psyche. A Fairlytale by Apuleius.(Opus V)

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「アモールにプシュケを示すヴィーナス」

2世紀後半に書かれた物語にクリンガーが挿絵をつけた美しい書籍です。

1880 エッチング、アクアチント/木版(飾り枠)

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開館日
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平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

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