花開く明治の版画
ミニ企画展
展覧会概要
西洋文化が一気に流入することとなった明治期は、江戸時代からつづく錦絵やエッチング制作の技術に加えて、新しくエングレーヴィング(銅版画技術のひとつ)や石版術、木口木版技術、写真術などが伝わったことで、実に多種多様な種類の刷り物(印刷物)が出版されました。2016年・新年からの本展示は、官民で制作された明治期のさまざまな木版画、銅版画、石版画、木口木版画を展示し、文明開化によって多様性を帯びることとなった版画世界を紹介します。
紙幣製造と技術者育成のために招聘されたエドアルド・キヨッソーネ(イタリア人)が在職した大蔵省紙幣局(印刷局)で制作された銅版画と石版画、地図製作のための画学教育の教材用に陸軍で制作された石版画、松田緑山経営の玄々堂や梅村翠山創設の彫刻会社など民間会社から発行された版画、あるいは亀井至一の日光東照宮を描いた木版画連作やその弟・竹二郎の石版画輯『東海道五十三次之真景』(展示は一部)、京都の画家・小山三造による京都名所を描いた石版画、さらに来日したフランス人画家・ジョルジュ・ビゴーのエッチングなどを出品します。明治20年代まで盛んに出版された錦絵も出品します。
3月12日から特別展として「清親―光線画の向こうに」を開催しますので、清親の作品と比較してご覧なることができます。近代社会が築かれていく明治の文化、風景そして視覚をお楽しみ下さい。
展覧会情報
会期 | 2016年1月5日(火)~4月17日(日) |
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・ 一部展示替えあり
花開く明治の版画 リーフレット PDF[4223KB]