西洋の木版画
ミニ企画展
展覧会概要
西洋の木版画の起源は1400年前後にさかのぼるといわれます。1400年代末にはデューラーが登場し早くもひとつの頂点を極めますが、やがて版画の主流は銅版画に移り、木版画は民衆版画や本などの挿絵に細々と残るだけになっていきました。
19世紀中頃、日本美術などの影響を受けて、ヨーロッパでは木版画への関心が高まります。美しい多色刷りに魅せられ、リヴィエールやルペールは試行錯誤の末に錦絵式の木版を完成させました。ヴァロットンの作品は白黒ですが、平面性を意識した表現に日本美術の影響が見てとれます。ゴーギャンの場合はすこし複雑で、同時代の絵画やプリミティヴ・アートなどいくつもの影響が合わさっています。
長い伝統をもつ日本と違い、19世紀のヨーロッパでは木版画についての情報が少なく、版木や道具、紙やインクなど、すべて手探りで制作を進めなくてはなりませんでした。画家たちは試行錯誤を重ねながら、自らの表現を見出していきました。技術の点では19世紀の木版画は日本の錦絵には遠く及びません。しかし、荒削りで力強い作品は、彼らが何を求めて木版画に取り組んだかを教えてくれます。4月29日より開催の「森羅万象を刻む」展とあわせてご覧いただくと、版種による表現の違いがよく分かるのではないでしょうか。
展覧会情報
会期 | 2016年4月19日(火)~6月26日(日) |
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西洋の木版画 リーフレット PDF[477KB]