明治維新から150年
浮世絵にみる 子どもたちの文明開化
展覧会概要
浮世絵に描かれた⼦どもの姿に注⽬すると、その⼩さなからだを通して時代の空気を伝えてくれるものに数多く出会います。明治時代の浮世絵には、⽂明開化によって社会そのものが変化するなか、遊びにも学びにも、⼒いっぱい⽣きる⼦どもたちの姿が描かれています。
⻄洋の影響を受けて学校教育がはじまった明治初期、浮世絵には洋服を着て学校で学ぶ⼦どもたちが登場します。ここには、当時理想とされた子ども像が映し出されているといえるでしょう。英単語や⻄洋の偉⼈伝が記された浮世絵も制作され、世界へ⽬を向け⽴⾝出世を⽬指す若き少年少女の学習教材ともなりました。
⼀⽅で、まだ街の裏通りには江⼾の⾹りが残っていた時代。明治半ばより江⼾懐古の⾵潮が⾼まると、どこか懐かしく愛らしい着物姿の⼦どもたちが浮世絵にも戻ってきます。明治⽣まれの絵師、宮川春汀(みやがわしゅんてい)や⼭本昇雲(やまもとしょううん)らは、江⼾に花開いた遊びの⽂化を受け継ぐ⼦どもの姿を繊細に描き、⼈気を博しました。昔ながらのおもちゃ絵も引き続きつくられ、いつの世も⼦どもたちの⼼をつかむ玩具であり続けました。
この展覧会は、⽂明開化の新⾵と江⼾の⾯影のはざまで、遊び学ぶ⼦どもたちの姿を、当時の浮世絵と資料を通して⾒つめなおす試みです。<子どもたちを描いた浮世絵>のほか、未来への希望をのせた学校教材としての浮世絵や、夢を育むおもちゃ絵や物語絵など、<子どものための浮世絵>、約300点を展示します。明治の⼦どもたちの視覚世界がいかに⾊彩に溢れていたかをご覧いただくとともに、今も変わらない、成⻑を⾒守る⼤⼈たちの眼差しを感じていただければ幸いです。
展覧会情報
会期 | 2017年10月7日(土)~11月23日(木・祝) |
---|---|
休館日 | 月曜日 ただし、10月9日(月・祝)は開館、10月10日(火)は休館 |
開館時間 | 平日 10:00~17:00(入場は16:30まで) 土日祝 10:00~17:30(入場は17:00まで) |
観覧料 | 一般:800(600)円 大学・高校生と65歳以上:400(300)円 |
特別協力 | 公文教育研究会、玉川大学教育博物館 |
企画協力 | マンゴスティン |
巡回 | 足利市立美術館 2018年7月14日~9月2日 |
※()内は20名以上の団体料金
※10月7日(展覧会初日)と11月3日(文化の日)は入場無料
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額
▶明治維新から150年 浮世絵にみる 子どもたちの文明開化展 チラシ PDF[3.28MB]
▶明治維新から150年 浮世絵にみる 子どもたちの文明開化展 プレスリリース PDF[4.48MB]
見どころ
明治の「子ども浮世絵」が大集合!
子どもが描かれた浮世絵、あるいは子どものためにつくられた浮世絵は、「子ども浮世絵」と呼ばれています。江戸から明治にかけて、美人画や役者絵などとともに、浮世絵の重要なジャンルの一つでした。この展覧会では、明治時代の愛らしい子ども浮世絵の数々をご紹介します。明治の子ども浮世絵をテーマにした大規模な展覧会としては、初めてとなる試みです。
楽しい仕掛けが盛りだくさん!
触って遊べる体験コーナーや、ワークショップ、おはなし会など、子どもも大人も楽しめるイベントがいっぱい。ぜひ、明治の子どもの遊びを身近に感じてみてください。
展示内容
1章 文明開化の音がする
新しい“東京”の街並みから英語学習まで、浮世絵に見られる文明開化の諸相を辿ります。2章 学校の誕生と教材になった浮世絵
『学制』公布により学校が誕生すると、「教育錦絵」と呼ばれる浮世絵が教材として活躍しました。実際に使用された教材や、学校生活を題材にした浮世絵、双六を紹介します。3章 子どもたちへの眼差し―周延・春汀・昇雲-
明治に活躍した三人の個性あふれる浮世絵師、楊洲周延、宮川春汀、⼭本昇雲による、愛らしい⼦ども絵の数々を紐ときます。明治の⾵俗を描きながらも、着物姿の⼦どもたちには江戸の面影も感じられます。4章 子どもの遊び大図鑑
動物や子どもが画面を埋め尽くす「尽くし絵」や、作って遊べるペーパークラフトである「組上絵(くみあげえ)」や「着せ替え絵」などのおもちゃ絵を展示。さらにはアニメーションやプロジェクションの原点であるゾートロープに幻灯機、子どもたちの夢を育んだ初期の児童図書までを辿ります。関連イベント
記念講演会「浮世絵に描かれた母と子」
講師:藤澤紫
(國學院大學教授、国際浮世絵学会常任理事)
日時:11月11日(土)14:00~15:30
会場:1階講堂
*先着120名(申込不要)
*聴講無料。ただし、高校生以上は本展観覧券(半券可)が必要です。
*手話通訳が付きます。
浮世絵の技に触れる―摺の実演とレクチャー
浮世絵の伝統技術を継承する摺師をお招きし、葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」の摺を実演していただきます。渡邊章一郎氏による詳しい解説とともに、「赤冨士」が摺り上がる瞬間をお楽しみください。
講師:株式会社 渡邊木版美術画舗
日時:10月28日(土)1回目11:00~12:30、2回目14:30~16:00
会場:1階講堂
*各回先着120名(申込不要)
*聴講無料。ただし、高校生以上は本展観覧券(半券可)が必要です。
折って作ろう おもちゃ絵ワークショップ
「遊びのデザイン」をテーマに活動するCOCHAE(コチャエ)によるおもちゃ絵のワークショップ。明治の子どもたちに思いを馳せながら、オリジナルおもちゃ絵をつくろう!
講師:COCHAE(遊びのデザインユニット)
日時:11月4日(土)
1回目11:00~12:30
2回目14:30~16:00
会場:1階講堂
*各回定員20名(事前申込制)
*参加無料。ただし、高校生以上は本展観覧券(半券可)が必要です。
■申込方法:町田市イベントダイヤル 042-724-5656
※年中無休7:00~19:00
▶町田市イベント申込システム「イベシス」
※申込期間中にイベント名、またはイベントコード
「171006H」で検索
■申込期間:10月6日(金)12:00~10月31日(火)19:00まで
※「イベシス」は10月31日(火)23:59まで
■募集方法:先着順
▶COCHAEのホームページはこちら
美術館でおはなし会―絵本と語りの時間
出品作品にちなんだ語りや絵本の読み聞かせをお届けします。小さなお子さまも一緒にお楽しみください!
講師:おはなし はすの実
日時:10月21日(土)、11月7日(火)
各日14:00~14:30
対象:乳幼児・小学生から一般まで
会場:1階ハイビジョンギャラリー
*各日先着15名(申込不要)
*参加無料
0歳からの美術館★家族鑑賞会
赤ちゃんと一緒に作品を鑑賞します。色やかたちに囲まれて、家族でお気に入りの作品を見つけてみませんか?
講師:冨田めぐみ(NPO法人 赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事)
日時:11月15日(水)10:30〜11:30
対象:0歳〜未就学児とその保護者
定員:15組(事前申込制)
*1階講堂へお集まりいただき、その後展示室へ移動します。
*保護者の方は当日有効の観覧券をご用意ください。
■申込方法:町田市イベントダイヤル 042-724-5656
※年中無休7:00~19:00
▶町田市イベント申込システム「イベシス」
※申込期間中にイベント名、またはイベントコード
「171006J」で検索
■申込期間:10月6日(金)12:00~11月7日(火)19:00まで
※「イベシス」は11月7日(火)23:59まで
■募集方法:先着順
一緒にあそんで、明治にタイムスリップ
明治の子どもたちはどんな遊びをしていたのかな。浮世絵に描かれている遊びを体験してみよう!
講師:NPO法人 子ども広場あそべこどもたち
日時:10月14日(土)10:30〜15:00
会場:美術館前庭
*申込不要
*参加無料
*開催時間内に随時ご参加いただけます。入退場は自由です。
作品解説
①館長によるスペシャルトーク
11月12日(日) 企画展示室にて
②担当学芸員によるギャラリートーク
10月27日(金)、11月19日(日) 企画展示室にて
③担当学芸員によるスライドトーク
10月8日(日) 1階講堂にて
*各回14:00から45分程度
*①、②は当日有効の観覧券をご用意のうえ、直接会場へお越しください。
美術館で語り合おう トークフリーデー
会期中の水曜日・土曜日
「鑑賞のための静けさ」よりも作品をめぐる会話を楽しんでいただこうという試みです。
小さなお子さま連れの方も気兼ねせずにぜひご入場ください。