幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻

企画展

展覧会概要

ときに鏡にたとえられる版画は、作者の夢想と見る者の願望を如実に映し出します。版面/紙面の不可思議なモチーフや奇妙なフォルムは想像力を否応なく刺激し、見慣れた現実をも幻想の世界に変容させる版画家たちの精神と手業は既成の概念を揺り動かし、私たちを別の世界へといざなうかのようです。

独自の世界をさまよう〈フラヌール(遊歩者)〉ともいうべき版画家たちの作品は、過去や私たちの内に眠る原初的な記憶を呼び起こしながら現実世界の可能性、すなわち未来の姿をも浮かび上がらせる力を秘めているといえるのです。

本展では企画協力に美術評論家の相馬俊樹氏をむかえ、幻想の力によって〈アナムネシス(記憶回復)〉を喚起する作品を、当館収蔵品から紹介します。版画/鏡を覗きこみながら作品のあいだを遊歩するうちにおのずと取り込まれる世界は、「夢幻」と「現実」、「作品」と「私たち」、そして「芸術のための芸術」と「生のための芸術」などの境界がとけあう場となるでしょう。

展覧会情報

展覧会名 幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻
会期 2024年6月1日(土)~9月1日(日)
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)は開館
 7月16日(火)、8月13日(火)は休館
開館時間 平日10:00~17:00 土・日・祝日10:00~17:30
※入場は閉館30分前まで
会場 企画展示室1、2
観覧料 一般800(600)円、大・高生400(300)円
※中学生以下は無料
※( )は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)
 または精神障がい者保健福祉手帳をご提示の方と付き添いの方1名は半額
主催 町田市立国際版画美術館
企画協力 相馬俊樹

展示構成

✠刻線の魔力

版に刻んだ線によって自然が内包する力を表出させた版画家たちを紹介。

 木村茂(1929生)
 木原康行(1932-2011)
 門坂流(1948-2014)

✠〈エロス〉の形態学

人間に内在する力を形態の変容と歪曲によって顕現させた版画家たちを紹介。

 パウル・ヴンダーリッヒ(1927-2010)
 ヨルク・シュマイサー(1942-2012)
 多賀新(1946生)

✠時空のアナモルフォーシス

時間と空間の歪像ともいうべき世界によって、時空の無限性を形象化した版画家たちを紹介。

 星野美智子(1934生まれ)
 エリック・デマジエール(1948生まれ)

✠神話のイマジネール

独自の神話体系ともいうべき世界観を有する版画家たちを紹介。

 エルンスト・フックス(1930-2015)
 藤川汎正(1940生)
 蒲地清爾(1948生)

✠生・命・力―若きヴィジョネール/フラヌールたち

三者三様の表現によって版面と紙面に生命力を宿らせる版画家たちを紹介。

 池田俊彦(1980生)
 山田彩加(1985生)
 西村沙由里(1988生)

✠語り、詠う幻像たち

言葉を着想源としながら夢幻の世界を紡ぐ版画家たちを紹介。

 小林ドンゲ(1926-2022)
 清原啓子(1955-1987)
 アンティエ・グメルス(1962生)

✠夢の敷居

夢幻と現実の境域を版面に刻むことで繋ぎだす版画家たちを紹介。

 坂東壯一(1937生まれ)
 渡辺千尋(1944-2009)

✠鏡像の宇宙

版を鏡として自らの精神を版に刻み、紙面に映し出した版画家たちを紹介。

 加藤清美(1931-2020)
 日和崎尊夫(1941-1992)
 柄澤齊(1950生)

✠腐蝕の傷痕

分身ともいえる版に死/生を刻み込んだ版画家たちを紹介。

 ホルスト・ヤンセン(1929-1995)
 菊池伶司(1946-1968)

✠出品作
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門坂流《縄文杉》2009年
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多賀新《三界》1977年
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小林ドンゲ《雨月物語より 浅茅が宿 その1》1963年
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清原啓子《孤島》1987年
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坂東壯一《四季・夏》1980年
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加藤清美《悲しみの島V》1997年
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柄澤齊《肖像IV アルチュール・ランボー》1982年
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菊池伶司《Observer 2》1968年
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池田俊彦《嫗(老腐人-R)》2006年

無料日・割引

※割引の併用はできません。
無料日 2024年6月1日(展覧会初日)
シルバーデー 第四水曜日:6月26日、7月24日、8月28日は65歳以上の方は入場無料
※年齢が確認できるものをお持ちください
リピーター割引 一律:200円引
※観覧券売場で本展の半券をご提示ください。
シェアサイクル割引 一律:100円引
※観覧券売場でシェアサイクルのアプリの予約・利用履歴画面をご提示ください。
※シェアサイクルについては▶【コチラ】
タクシー割引 一律:100円引
※観覧券売場で当日のタクシーのレシートをご提示ください。
※レシート一枚につき、お一人様のみの割引です。
パスポート割引 一律:100円引
※観覧券売場で日本国以外のパスポートの表紙をご提示ください。
ウェブクーポン割引 一律:100円引
※観覧券売場で▶【クーポン画面】を保存もしくは印刷し、観覧券売場でご提示ください。
※一画面につき、お一人様のみ有効です。
SNS割引 一律:200円引
※X(旧Twitter)、Instagramほか各種SNSにて「#町田市立国際版画美術館」の#タグをつけてポスター、看板など 本展のロゴが入った画像シェアすると、観覧券が200円引!

関連催事(随時更新)

記念対談 谷川渥(美学者)×相馬俊樹(美術評論家)

2024年6月22日(土)
開場時間:13時30分(※整理券の番号順に入場)
開演時間:14時~15時30分
会場:町田市立国際版画美術館 講堂

※入場整理券を当日の12時30分から配布します
※本展の当日有効観覧券(半券可)が必要です
 整理券配布受付でご提示ください
※先着100名

ワークショップ「幻想採取 コラージュで作るイメージの標本匣」

2024年8月24日(土)13時30分~16時
講師:池田俊彦(銅版画家)
会場:アトリエ|対象:中学生・高校生・大学生・専門学校生|先着12名|参加費500円 ※事前申込制
詳しくはこちら

ギャラリートーク

①2024年6月8日(土) ②2024年7月27日(土) ③2024年8月10日(土)
担当:藤村拓也(本展担当学芸員)
各日14時から30分程度 会場:企画展示室|要本展当日有効観覧券

プロムナードコンサート「音で誘う幻想的な廻廊へ」

2024年7月14日(日)13時~、15時~(各回30分程度)
演奏:岩谷明石(ヴァイオリン)、永易理恵(ピアノ)
会場:エントランスホール|参加無料

無料バス(町田駅⇔国際版画美術館)

本展開催中のシルバーデー(6/26、7/24、8/28)のみ、無料送迎バスを運行します。
【シャトルバスチラシ(PDF】

※シルバーデー … 65歳以上の方が無料でご観覧いただける日です。

プレスリリース、チラシ、出品リスト、小冊子

【オンラインプレスリリース】
【チラシ(表・画像)】【チラシ(裏・画像】【チラシ(PDF)】
【出品リスト(PDF)】
【小冊子(PDF)】

NEW(2024年8月4日更新)
(2024年3月15日公開)
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  • 版画のつくりかた
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開館日
イベント

平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

  • 小学生、中学生のみなさまへ

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〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
連絡先 電話 042-726-2771