『月映』とその時代 ―1910年代日本の創作版画

ミニ企画展
無料

 1914年、東京美術学校(現・東京藝術大学)の学生であった恩地孝四郎(おんち こうしろう、1891-1955)、田中恭吉(たなか きょうきち、1892-1915)、藤森静雄(ふじもり しずお、1891-1943)の三人が、『夢二画集』や『白樺』の出版社でもあった洛陽堂から版画誌『月映』(つくはえ)を公刊し、1915年にかけて全7号を発行しました。事前に、三人がそれぞれ一冊ずつ所有する同名冊子の私輯版を6号制作した後のことでした。
 『月映』は版画家を志す青年が内なる感情を表出した、大正期特有の生命表現が見られる版画誌です。しばらく幻の冊子のように見られていましたが、1970年代に文芸雑誌や美術雑誌が特集し、東京国立近代美術館が「恩地孝四郎と「月映」」展を開催したことなどによって、その存在や作品が一気に注目されるようになります。
 本特集展示は、町田市立国際版画美術館が所蔵する公刊第3号、5号、6号、7号のなかから一部の作品を選んで展示し、100年を迎えた『月映』の表現を紹介します。また、『月映』の版画と共鳴する同時代の創作版画も展示して、生命観を表わすことを志向した1910年代の表現世界をご覧いただきます。

展覧会情報

展覧会名 『月映』とその時代 ―1910年代日本の創作版画
会期 2025年1月5日(日)~3月9日(日)
会場 常設展示室
観覧料 入場無料

主な出品作品

田中恭吉
冬蟲夏草 (公刊『月映』Ⅲ)
1914年12月発行
木版 15.7×13.0㎝

藤森静雄
死によりて結ばれる心(公刊『月映』 Ⅲ)
1914年12月発行
木版 19.2×13.1㎝

恩地孝四郎
抒情「あかるい時」(公刊『月映』Ⅴ)
1915年3月発行
木版 13.5×9.7㎝

岸田劉生
The Earth
1915
木版 41.5×30.0cm

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開館日
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平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

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