ふぞろいの版画たち―西洋版画のシリーズとステート―

展覧会概要
ひとつの版からたくさんの同じ絵を生みだすことができる版画は、書物の挿絵のような何枚もの連続した画面の中に活動の場を見いだしてきました。一連の絵によって様々な物語を紡ぎ、また複製されることでその内容を広め伝えてきたといえます。
一方で、同じテーマに基づいて制作された「シリーズ(連作)」も、版画家によってまったく異なる姿を見せます。くわえて同じ版から生まれた版画も、経年による版の劣化や、作者自身による版や刷りの改変といった「ステート(刷りの段階や状態)」の違いによって、異なった表情を見せます。さらに現代の版画家たちが、様々な「ステート」そのものを「シリーズ」として発表していることも特筆すべきでしょう。
本展で紹介する作品は、ひとつの版から生まれ、連作の中で活躍してきた版画だからこそ、持ちえた魅力をたたえているといえるのです。同じに見えたり、似ていたりするけれども、どこかふぞろいな版画たちの魅力的な群像劇をお楽しみください。
展覧会情報
会期 | 2025年3月14日(金)〜6月15日(土) |
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休館日 | 月曜日 ※ただし5月5日(月・祝)、翌6日(火・振休)は開館 5月7日(水)は休館 |
開館時間 | 平日:午前10時~午後5時 土日祝:午前10時~午後5時30分 ※入場は閉館30分前まで |
観覧料 | 入場無料 |
主な出品作家
アルブレヒト・デューラー Albrecht DÜRER(1471~1528)
アントニオ・ダ・トレント Antonio DA TRENTO(1527~1530頃活動)
レンブラント・ファン・レイン REMBRANDT van Rijn(1606~1669)
フェリックス・ブラックモン Félix BRACQUEMOND(1833~1914)
パブロ・ピカソ Pablo PICASSO(1881~1973)
ホルスト・ヤンセン Horst JANSSEN(1929~1995)