夢の江戸へ―美人画と歴史ロマン

ミニ企画展
無料

水野年方《三十六佳撰 くつわや 明和頃婦人》、明治26年(1893)【後期展示】

浮世絵は江戸時代初期に誕生して以来、浮世すなわち当世を題材とし、遊郭の花魁や芝居町の歌舞伎役者といった当代のスター達を描きつづけました。ところが明治時代になると、政府による極端な欧化政策に対する反動として、江戸時代を回顧する風潮が生まれてきます。世間の感情を敏感に察知し、その需要に応じてきた浮世絵のなかにも、過ぎ去った時代を題材とする作品があらわれ始めました。

本展で紹介するのは、月岡芳年【つきおかよしとし】(1839-1892)と水野年方【みずのとしかた】(1866-1908)による美人画です。明治時代に活躍したこの二人の浮世絵師は、師弟の関係で結ばれながら多くの共通する画題に取り組み、江戸時代の女性像もそのひとつでした。しかしながら彼らが描いた江戸は、必ずしも正確な歴史理解に基づくものではありません。そこに表されたのは江戸時代を理想化した姿であり、史実にしばられない「夢の江戸」とも言える世界だったのです。

芳年と年方の没後、浮世絵は急速にその姿を消していきます。当世を題材としていたはずの浮世絵が過去を描き始めたことは、図らずも浮世絵の終焉を暗示しているようです。浮世絵最後の傑作をどうぞお楽しみください。

※前期【10/20(日)まで】・後期【10/22(火)から】で展示替えがあります。

展覧会情報

展覧会名 夢の江戸へ―美人画と歴史ロマン
会期 9月26日(金)~12月21日(日)展示替えあり
前期 9月26日(金)~11月9日(日)
後期 11月11日(火)~12月21日(日)
休館日 月曜日
※ただし10/13(月)、11/3(月)の祝日と振替休日は開館し、翌火曜日は休館
開館時間 平日:午前10時~午後5時
土日祝:午前10時~午後5時30分
※入場は閉館30分前まで
観覧料 入場無料

主な出品作品

月岡芳年《古今姫鑑 秋色》、明治8-9年(1875-76)【前期展示】

月岡芳年《風俗三十二相 うるささう 寛政年間 処女之風俗》、明治21年(1888)【前期展示】

月岡芳年《風俗三十二相 じれつたさう 嘉永年間 鳶妻之風俗》、明治21年(1888)【後期展示】

水野年方《三十六佳撰 遊君 元和頃婦人》、明治24-27年(1891-94)頃【前期展示】

出品リスト

▶出品リスト(準備中)

  • 芹が谷だより
  • オフィシャルX
  • 版画のつくりかた
OPEN オープン本日は開館しています
休館日
開館日
イベント

平日:午前10時〜午後5時
(入場は4時30分まで)
土・日・祝日:午前10時〜午後5時30分(入場は5時まで)

  • 小学生、中学生のみなさまへ

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〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
連絡先 電話 042-726-2771